Membrane bioreactorにおける長期的ファウリング予測

Membrane bioreactor (MBR) は排水中の有機物などを活性汚泥中の微生物によって分解し、その処理水と活性汚泥とを膜を用いて分離する水処理技術である。従来の重力沈降による分離と比 較し、省スペースかつ短時間での分離が可能であるという利点がある。しかし、MBRでは膜を用いているため活性汚泥などの固形物であるファウラントが膜の 表面や細孔に詰まってしまうファウリングという現象が問題となる。ファウリングが進行すると定量ろ過運転時にはろ過に必要な膜差圧 (transmembrane pressure, TMP) が上昇し運転コストが増大する。ファウリングの対策としてばっ気や逆洗といった物理洗浄が運転サイクル中に行われるが、ファウラントを完全に除去すること はできない。そこで定期的に薬品を用いて膜を洗浄する必要がある。

ただし頻繁に薬品洗浄を実施すると運転コストが増大してしまう。MBRを分散設置して無人運転する場合はそもそも頻繁な薬品洗浄は困難である。 逆に薬品洗浄せずにファウリングが進行しすぎると、TMP jumpと呼ばれるTMPの急上昇が起きたり、薬品洗浄でもファウラントを除去できなかったりする。薬品洗浄を実施するにはある程度の準備期間が必要であ るためファウリングが将来どのように進行するか予測することが求められている。これにより薬品洗浄が必要な時期を予測でき薬品洗浄のスケジューリングが可 能となる。

本研究室ではMBRにおける長期的なファウリングの予測を目的とし、膜差圧予測モデルとTMP jump予測モデルの開発を行なっている。MBRにおける処理時間・処理流量・水質などのパラメータの値をモデルに入力することで、将来のTMPやTMP jumpが起こる時間の予測が可能となる。また、モデルを活用することでファウリングの進行を抑制するようなMBRの運転方法を探索することもできる。

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