プラントの状態変化を考慮した高精度ソフトセンサーの開発

ソフトセンサーモデルを運用する際の大きな問題の一つとしてモデルの劣化が挙げられる。モデルの劣化とは、触媒の劣化・熱交換器や配管等への汚れ付 着・原料組成の変化・外気温変化・各センサーの故障やドリフトなどのプロセス特性の変化によってモデルの予測精度が低下する (予測誤差が大きくなる) 現象のことである。下図はxとyの関係が直線で表現できる際のモデル劣化の概念図である。ソフトセンサーモデルは劣化後のデータに対応できず、実測値との 誤差が大きくなっていることが分かる。

これまで船津研究室においてモデルの劣化の分類が行われた。モデルの劣化にはモデル構築用データと予測データとの間でxとyの傾きは変化せず、 各変数の値がシフトする場合 (yの値シフト・xの値シフト) と、xとyの傾きが変化する場合 (傾き変化) が存在する。もちろんyの値シフト・xの値シフト・傾き変化が複数同時に起こる場合もある。またyの値シフト・xの値シフト・傾き変化のそれぞれにおい て、触媒の劣化・熱交換器や配管等への汚れ付着・各センサーの故障やドリフト・緩やかな運転条件変更や外乱などのように劣化が徐々に起こる場合と、急な運 転条件変更のように劣化が急激に起こる場合と、ドリフト校正・配管の詰まり・突発的な外乱などのように変化が一瞬で起こる場合とがある。

船津研究室ではこのモデルの劣化問題に対して、新しいデータが得られた際に自動的にモデル更新することでプラント変化に追随させる研究・予測し たいデータに対して毎回新しいモデルを構築することで新しいプロセス状態に適したモデル構築を行う研究・プロセス変数の時間差分に基づきモデルを構築する 研究・複数のモデルを組み合わせて最終的な予測値とすることで過去の様々なプラント状態を考慮に入れて予測する研究などが行われている。

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