有機合成設計システムの研究開発

「それをどう作るか」に対応する研究として、新規な有機合成経路の探索を支援するための有機合成設計システムの研究開発を行っている。我が国ではこれに関する研究実績は皆無に等しかったが、我々のグループは新規合成経路の創出と、その出力結果の実際性の保証とを同時に実現するコンピュータシステムを世界に先駆けて構想しその開発に成功した。本システムに合成したい化合物の構造を入力することにより、その化合物を合成するための合成経路、出発物質、反応条件などが自動的に複数提案される。また出力されたそれぞれの合成経路は、反応知識ベースに格納されている反応に関する知識を基にしてその実際性が検証される。なお、この反応知識ベースを反応データベースから自動的に誘導する技術の研究開発も世界で初めて成功し実用化されている。この合成経路設計システムの研究開発は、平成元年からは関西化学工業協会の協力を得て、傘下の20数社との共同研究の形で進められ、その成果は共同研究企業において実用目的で利用されるとともに、国内外の学界、産業界から高く評価されている。なお、本研究成果の一部は昨年富士通に技術移転され、2003年10月には実用システムとして国内外で販売が開始された。右下の図は有機合成設計システムの実行画面例である。
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